予防がいちばんの治療

 

 育毛のためには、まず抜け毛の原因や誘因となることをチェックしてみなければなりません。

 

 額が広がってきたといっても、単なる生まれつきだったり、子どもの頃の丸顔が成長して細長くなったのでそう見えるだけといった場合もあります。

 

 しかし、遺伝的要素によって前頭骨が発達したことによる「血行不良」、「男性ホルモンが関係する皮脂の分泌過剰によるベタつき」、「シャンプーなどの手入れの間違い」などの場合は注意が必要です。

 

 まずは現在以上に薄くならないようにし、額の後退を予防するためには「髪の毛は皮膚が変化したものである」ということを意識し、頭皮の状態を正常にすることが大切です。

 

 皮膚が弱る最大の原因は「全身の病気」です。腎臓、心臓、肝臓などの病気や、糖尿病、胃腸の不調、さらには偏食や不摂生、ストレス過多で体力が弱ってしまうこと自体が皮膚によくありません。

 

 また、シャンプーやお手入れなどのやり過ぎで、炎症や湿しっ疹しんなどのトラブルが起こります。逆に、汚れたままで適切なお手入れをしていない、紫外線に当たり過ぎる……といったことに加え、さらに男性ホルモンの影響を受けると、次第に薄毛が進行するようになってきます。

 

 若い女性を含め、誰しもが薄毛にはなりたくないと思っていることと思いますが、そのためには、頭皮や毛髪のしくみをよく理解し、常に髪の毛が良好に育つような環境にしておくことが最も大切なのです。

 

 薄毛は「予防に勝る治療なし」です。育毛剤・発毛剤だけに頼るのではなく、健康面への注意とともに、普段からヘアケア、スカルプケアを正しく行うことが、あらゆる年代の男女にとってとても大切なことです。

 

 

 

薄毛の自覚症状に要注意

 

 今や、脱毛、薄毛は男性だけの問題でなく、女性にとっても深刻な問題となっています。

 

 額の広さには個人差があり、もともと額が広いのに、それを非常に気にしている人がいます。額のきわのM字の部分が薄くなっていたり、ハゲ上がったように見える場合、そこに生えている毛が額の領域の毛なのか頭髪なのかもチェックしないで、ただただ悩み続けている人が多いのも事実です。

 

 実際に、髪の毛の根元を拡大して見ることのできるマイクロスコープでチェックしてみますと、額に生えている毛のほとんどが一つの毛穴から1本しか生えていないのに、頭髪の場合は一つの毛穴から2〜3本まとまった毛群という状態で生えています。もともと髪の量が少ない人の場合は1〜2本ということもありますが、頭では1本ずつしか生えていない部分は全体の16〜20%くらいで、顔や身体に生えているウブ毛と、頭皮に生えているウブ毛とでは明らかに違いがあります。

 

 この違いがわからないと、個性として額が広いだけなのに、薄くなってきたと勘違いをしてしまい、育毛剤でマッサージをしたり、高いお金を払って育毛専門店に通って、あげくの果ては効果がなかったと嘆き悲しむということになってしまいます。

 

 女性の場合は生えぎわのラインが後退していく現象はほとんど見られません。しかし遺伝的要素を受け継いでいる人の場合は、更年期を迎える頃になると頭皮が硬く張り、透けて見えるようになってくることもあります。

 

 男性の場合はご存じのように次第に後退していってしまいます。20歳の頃を基準にすると、眉の上から生えぎわまでが指3本分だった場合、指4本分以上になったり、旋せん毛もう(つむじ)の周辺の張り、コシがなくなって髪が伸びにくくなると「危険」ということになります。

 

 今は大丈夫でも、次のような徴候が現れ始めたら「要注意」なので、思い当たるものがないかどうかチェックしてみてください。

 

□髪の太さが細くなり、張り、コシがなくなって、ボリュームが出にくくなった。

 

□毛先の尖とがった短い毛が伸びなかったり、細くて短い毛の抜け毛が多くなった。

 

□毛根にフケのような白い塊かたまりや、尻しっ尾ぽのようなものがついた抜け毛が多くなった。

 

□抜け毛の数が多くなり、毎日100本以上も抜けるようになった。

 

□髪をとかすと、髪の間から毛先の尖った短い髪がピンピン立つようになった。

 

□頭皮に痒かゆみを覚え、フケも多くなった。

 

□シャンプーを毎日しているのに、すぐに髪がベタつくようになった。

 

□シャンプーの後など、髪が濡れていると頭皮が透けて見えるようになった。

 

□分け目の部分の髪が薄くなり、分け目が広がって見えるようになった。

 

□鏡を覗のぞいたら、照明のせいか髪が透けて頭皮のラインがわかるようになった。

 

□頭皮を軽く押してみると、薄く突っ張っていて動きにくく、頭蓋骨が感じられるようになった。

 

□頭皮の色が今までは白っぽかったのに、最近は褐色になった。

 

□他人から髪のことを何かと言われるようになった。

 

 など、いろいろな自覚症状が現れてきます。これらに気づいて早めに正しい対策を行うことが大切なのです。